定・不定の区別 (602)

前回(601)の例文の一部を再掲する。

I lit a cigar and offered one to him.

これは「私は葉巻に火を付け、それを彼にやった」
という意味ではなく、
「私は(自分用に)葉巻に火を付け、(別の)一本を彼に「君も吸う?」というように示した」の意味である。前者の意味なら、

I lit a cigar and offered it to him.

となるはず。これは定と不定の区別として重要である。同じ作品より。

“Got any baccy?”
I gave him my pouch and he filled his pipe. He lit it from a piece of burning charcoal.”
「たばこ、あります?」
私は彼にたばこ入れを渡した。彼は自分のパイプにたばこを詰め、それにいこっている炭を当てて火を付けた。

baccy は tobacco の英国口語。「刻みたばこ」である。さっきは葉巻を貰って吸ったが、葉巻は高価なので、遠慮して「たばこ」といったのであろう。pouch は刻みたばこを入れるケース。「私」は、好きなだけ自分のパイプに詰めなさい、とパウチを渡した。彼は、火箸 (tongs) で赤くなっている炭をつまみ上げ、パイプのたばこに火を付けたのである。
ここで He lit it と it なのは、その直前にある his pipe を指しているから。(理屈をいえばパイプに詰めたタバコに火をつけるのだが、lit his pipe と慣用的にいう。)
また、charcoal は非可算名詞であるから、a piece of で可算化している。前回の例で a stick of furniture とあったのと同じである。piece は、この目的で広く使えるので a piece of furniture と家具にいうこともできる。
「可算・非可算」「定・不定」の別は、このように、読む英語、聞く英語の至るところに働いている。それを意識して習得し、無意識に使えるようになってほしい。


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